「通信制高校」への進学を検討し始めたとき、誰もが最初にぶつかる壁が「公立と私立、結局どっちがいいの?」という疑問ではないでしょうか。
学費が安いと聞く公立は魅力的ですが、「サポートが手薄なのでは?」と不安になりますし、私立は費用が高い分、「本当にそのサポートが必要なのか?」と悩んでしまうものです。
特に、不登校を経験した子どもの進路となると、「絶対に失敗したくない」という親御さんの思いは強いはず。
ただ通信制高校の卒業資格は、公立でも私立でも、その価値は全く同じなのです。
大切なのは、子どもの現状とご家庭の経済状況に合わせて、どちらの「環境」が最適かを見極めることです。
この記事では、通信制高校の公立と私立を「費用」「サポート」「通いやすさ」という3つの軸で徹底比較していきます。
この記事を読み終えるときには、子どもにとって最適な進路が明確になっていたら嬉しいです。
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お子さまにぴったりの通信制高校を見つけるには、複数の学校を比較することが大切です。
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公立と私立は「費用」と「サポート」の優先度で決まる

通信制高校の公立と私立を比較するとき、最も重要となる判断基準は、「経済的な負担を最優先するか」、それとも「手厚いサポート体制を最優先するか」の二択に絞られます。
どちらの高校にもそれぞれ明確な利点と課題があるため、「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが子どもの再スタートを支えられるか」という視点で選びましょう。
どちらの高校も卒業資格は同じ価値
公立・私立にかかわらず、通信制高校を卒業して得られる「高校卒業資格」の価値は完全に同じであり、大学受験や就職活動で不利になることは一切ありません。
どちらの通信制高校も、文部科学省が定める高等学校学習指導要領に基づいて運営されており、卒業には「3年以上の在籍」「74単位以上の修得」「特別活動への参加」という全国共通の要件を満たす必要があるからです。
そのため、進学や就職の際に卒業証明書の効力に差が出ることはありません。
- 卒業資格の効力: 全日制高校と通信制高校の卒業資格に法的な差はない。
- 進路への影響: 卒業後の大学受験(一般選抜、総合型選抜など)や就職活動において、公立・私立の差で不利益を被ることはない。
- 私立の付加価値: 私立高校の「価値」は、卒業資格そのものではなく、「充実した学習サポートや進路指導」といった付加サービスにあります。
- 自己判断の重要性: どちらを選ぶにしても、子どもが「自立して学習に取り組める環境」を見つけることが、成功への鍵となります。

公立 vs 私立!通信制高校を5つの軸で徹底比較

ここでは、公立と私立の通信制高校が具体的にどう違うのかを、親御さんが最も気になる5つのポイントに分けて解説します。
1. 年間の学費:最も大きな違いを徹底解説
公立通信制高校の学費は圧倒的に安く、経済的な負担を最小限に抑えたいご家庭に最適です。一方で私立は高額ですが、これは手厚いサポート費用が含まれているためです。
- 公立の通信制高校:公立は授業料が非常に低く設定されており、国による高等学校等就学支援金制度の適用により、ほとんどの場合、授業料が実質無料になります。
- 私立の通信制高校:授業料に加えて、手厚い個別指導やカウンセリング、教材費などが上乗せされるため、費用が高くなります。
| 公立 | 私立 | |
| 授業料 | 年間1万円以下、諸費用を合わせても年間5万円程度(※就学支援金適用後) | サポート体制によって幅があり、年間20万円~80万円以上(サポート校を利用する場合はさらに追加費用が必要) |
| 特徴 | 必要な経費を最小限に抑えることができる | 費用が高い分、きめ細やかなサポートや多様なオプション(通学コース、専門コースなど)を選択できる。 |

2. サポート体制と学習環境
不登校経験があり、学習やメンタルに不安が残る場合は私立、自立して計画的に学習を進められる場合は公立が向いています。
公立は少人数の職員で運営されていることが多く、生徒一人ひとりへの個別フォローにかけられる時間や専門性が限られます。
一方、私立は学費から人件費や設備費を賄えるため、カウンセリング専門職員の常駐や、担任制によるきめ細やかな学習計画の管理が可能です。
- 公立(自立学習型):
- 特徴: サポートは主にレポートの添削と事務的な連絡が中心。学習計画は生徒自身が立てる必要があり、自己管理能力が求められる。
- 向いている人: 経済性を最優先し、自律学習に自信がある人。
- 私立(手厚いフォロー型):
- 特徴: 個別カウンセリング、メンタルケア、登校サポート、進路指導などが充実。毎日登校する「週5日コース」など、多様な学び方を選べる。
- 向いている人: 不登校経験があり、精神的なケアや学習習慣の再構築が必要な人。
3. スクーリング(登校)の回数と場所
登校負担を最小限にしたい場合は公立・私立ともに選択肢がありますが、通いやすさを重視するならキャンパスが全国にある私立が有利です。
公立高校のキャンパスは基本的に都道府県に数ヶ所(多くても数ヶ所)しかないため、遠方から通学しなければならない場合があります。
一方、私立の広域通信制高校は、提携キャンパスや学習センターを全国の主要都市に設置していることが多く、自宅の近くで見つけやすい傾向にあります。
- 公立(登校場所):
- 実態: 本校や協力校の数が少なく、通学に時間がかかることが多い。登校日は年間20日程度が一般的。
- 負担: 通学の負担や交通費が私費として発生する。
- 私立(登校場所):
- 実態: 独自のサポートキャンパスや提携校が全国にあるため、自宅近くのキャンパスを選びやすい。
- 登校頻度: 「在宅コース(年間数日)」から「週5日通学コース」まで、通学頻度を自由に選べる学校が多い。

4. 入試の難易度と選考基準
どちらも全日制高校に比べて比較的易しいですが、公立は「居住地の制限」があり、私立は「意欲重視の選考」という特徴があります。
通信制高校は、学力よりも「本人の学習意欲」と「卒業への意思」を重視する傾向にあるため、全日制高校のような難易度の高い学力試験は課されません。
しかし、公立高校は税金で運営されているため、原則としてその都道府県の居住者しか出願できません。
- 公立(選考基準):
- 選考: 面接と作文(または簡単な筆記試験)、中学校の調査書(内申書)で合否を判定。
- 注意点: 原則として、その都道府県および隣接する地域に居住していることが受験資格となる。
- 私立(選考基準):
- 選考: 面接と作文のみという学校が多く、内申点や出席日数が低い不登校経験者も受け入れやすい選考基準が中心。
- 柔軟性: 随時入学(転入・編入)を受け付けている学校が多く、出願時期が柔軟。
5. 卒業率と進路実績
卒業率は公立・私立ともに大きな差はありませんが、大学進学実績は進学サポートに特化した私立の方が高い傾向にあります。
通信制高校では、自己管理能力やサポート体制が卒業率に大きく影響します。
私立の多くは、担任やチューターが生徒の学習進捗を細かく管理するため、結果として公立よりも卒業率が高いと公表している学校が多くあります。
また、大学受験に特化した進学コースを設けている私立は、当然ながら進学実績が高くなります。
ゆうきママ友の1人目の子は、我が家の息子と同じく第一学院高等学校に進学。ただ学費の負担も大きかったので、2人目が不登校になったときは、公立の通信制高校を選んだとのこと。



公立は「卒業資格を取る」専門!私立のような手厚いサポートはほぼゼロでした!
メリット: シンプルで学費が安い。
デメリット: 通学が週2回程度でも、遠距離のため行き渋りにつながることも…。
結論: サポートが欲しいなら私立、とにかく安く資格が欲しいなら公立、と割り切りが必要!
- 卒業率の比較:
- 公立: 自主性に任せる部分が大きいため、途中で離脱する生徒も一定数いる。
- 私立: 手厚いフォロー(電話連絡、個別面談など)により、生徒を最後までサポートする仕組みがあるため、公立より高い卒業率を維持している学校が多い。
- 進路実績:
- 私立の強み: 大学受験対策に特化したコース、個別指導、推薦枠の確保など、進学サポート体制が充実している。
- 公立のスタンス: 進路サポートは全般的に行われるが、大学受験対策は生徒個人の予備校通学に委ねられる部分が大きい。


【状況別】公立・私立「どっちがいい」判断チャート


ここまで比較した違いをもとに、あなたの家庭の状況に合わせてどちらを選ぶべきか、具体的な判断チャートで確認しましょう。
公立通信制高校がおすすめなのはこんな人
経済的な不安がなく、お子さまに強い自立心や学習意欲がある場合に、公立は最良の選択肢となります。
公立が向いている条件
- 経済性を最優先にしたい:
- 高校にかかる費用を最小限に抑えたいご家庭。
- 自律学習の習慣がある:
- 自宅で自分で学習計画を立て、実行できる自立心がある。
- 通学先が自宅から無理なく通える:
- 都道府県に数ヶ所しかないスクーリング会場まで、無理なく通学できる地理的な条件が整っている。
- 中学校の学習内容に大きな遅れがない:
- 基礎学力が定着しており、個別指導がなくてもレポート課題などを進められる。
私立通信制高校がおすすめなのはこんな人
不登校経験や精神的な不安があり、費用よりも「確実に卒業できる環境」を重視したい場合に、私立は強い安心感をもたらします。
私立が向いている条件
- 不登校経験があり、精神的なケアが必要:
- カウンセラーによるメンタルケアや、心理的なフォローが必要な状況。
- 学習習慣がなく、個別指導が不可欠:
- 中学の学習内容に不安があり、先生と一対一での補習や学習計画の管理が必要。
- 登校頻度を細かく調整したい:
- 「週1日だけ」「週3日だけ」など、体調に合わせて通学ペースを調整したい。
- 大学進学を強く希望している:
- 一般受験や推薦入試など、進路実現に向けた手厚い個別サポートを受けたい。
まとめ|通信制高校は「公立」と「私立」は結局どっち?


公立と私立、それぞれに魅力と課題があることがお分かりいただけたかと思います。
どちらを選ぶにしても、お子さまの特性(自律性・不安の度合い)とご家庭の経済状況のバランスを考えて決定することが大切です。
最もミスマッチを防ぐ方法は、「公立と私立の両方の資料を取り寄せ、両方の学校見学に参加すること」です。
百聞は一見に如かず。実際に先生や生徒の雰囲気を感じることで、最適な選択が見つかるはずです。
公立と私立のどちらが良いか、まだ判断に迷う場合は、まずは複数の学校の資料を比較し、ご自身の目で違いを確かめましょう。
知りたい情報がきっと見つかる!
お子さまにぴったりの通信制高校を見つけるには、複数の学校を比較することが大切です。
学費、サポート体制、通学日数やキャンパスの雰囲気など、あなたの不安を解消するリアルな情報をまとめてチェックしましょう。
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