通信制高校に進学したお子さんが、「アルバイトを始めてみたい」と言い出したとき、親として期待と同時に不安を感じるのではないでしょうか。
「時間の自由度が高いのは知っているけれど、本当に学業とのバランスは取れるのだろうか?」 「せっかく通信制高校を選んだのに、バイトで疲れてレポートが滞ってしまうのではないか」
ゆうき我が家の息子も、高1のときにアルバイトをしたいと言いました。
でもやっと学校に慣れてきた時期だったので、アルバイトで生活リズムが崩れて学校生活に影響がでないか心配でした。
このような不安を感じるのは、お子さんの高校卒業と、その後の社会での自立を心から願っている親御さんなら当然の感情です。
でも、安心してください。通信制高校の最大の強みは、全日制では難しかった「学業と社会経験の両立」が、無理なくできる点にあります。
大切なのは、アルバイトを始める前に、卒業に必要な要件(レポート提出・スクーリング)を最優先にするための「計画性」と、親御さんによる「生活リズムのサポート」です。
この記事では、通信制高校でのアルバイトがなぜ両立しやすいのかという理由から、具体的な時間管理のコツ、そして親ができるサポートまでを詳しく解説します。
お子さんの自立への一歩を、前向きに応援していきましょう!
通信制高校でのアルバイトはできる?両立しやすい理由


時間の自由度が非常に高い
通信制高校は全日制に比べて登校時間が圧倒的に少ないため、アルバイトのシフトを柔軟に組み込み、両立することが非常にしやすいです。
全日制高校のように平日の朝から夕方まで授業に拘束されることがなく、登校する日(スクーリング)も学校によりますが、週に数回や、年間で数日間など非常に少ないのが特徴です。
それ以外の時間は、基本的に自宅での自学自習となります。
この自由な時間を活用することで、アルバイトと学習を効率的に進めることができるため、社会経験を積む上で大きなメリットとなります。
全日制では両立が難しかったプロ活動やスポーツに専念する生徒が多いのも、この時間の自由度があるからです。
親御さんから見ても、子どもの時間の使い方が明確になり、サポートのタイミングが取りやすいという利点もあります。



補足します! 
実は、通信制高校の通学コース(週5日など)を選んだとしても、全日制高校のように「毎日絶対に出席しなければならない」という義務はないんです。(※学校によります)
私も当初、「通学5日コースなのに学校へ行かないのはなんで?」と勘違いして心配していました。
「通学の権利」と「学習の自由」が確保されているのが、通信制の強みなんですね。
▶参考:通信制高校とは?わかりやすく解説|仕組み・特徴・メリット・進学まで完全ガイド
両立を支える時間の自由度の活用ポイント
- 学習の優先順位: アルバイトのシフトを決める前に、必ずレポートの作成とスクーリングへの参加を優先し、その時間を確保しましょう。
 - シフトの柔軟性: バイトのシフトを、平日の昼間や土日など、自分の体力や学習の進捗に合わせて柔軟に入れられる点が強みです。
 - メリハリのある生活: 登校日やバイトの日、学習日を明確に分けることで、生活にメリハリが生まれ、集中力が維持しやすくなります。
 - 親による管理サポート: 自由度が高い分、自己管理能力が重要です。最初のうちは、親御さんが「伴走者」としてカレンダーなどで一緒にスケジュール管理をサポートしてあげましょう。
 
アルバイトが社会経験につながるメリット
アルバイトは、不登校などで社会との接点が少なかった子どもにとって、社会性を育み、自己肯定感を取り戻すための貴重な機会となります。
通信制高校を選ぶ生徒の中には、人間関係や集団生活でつまずいた経験を持つ子が少なくありません。
アルバイトを通じて、学校とは異なる環境で様々な世代の人と接し、責任感、コミュニケーション能力、金銭感覚を養うことは、卒業後の社会生活を送る上で、非常に大きな力となります。
これは座学だけでは得られない、生きる力を育む実践的な学びです。また、自分でお金を稼ぎ、目標に向けて貯金するなど、具体的な自立の感覚を養うことができます。



我が家の息子もアルバイトを始めた当初は、生活面で少し甘えがあるところもありました。
でも、バイト先で親や先生以外の大人、先輩と働くことで、社会の厳しさと楽しさを学び、かなり自立してきました。
また、学校以外の同年代と関わることで、視野が広がり、交友関係や行動範囲がグッと広がったことは、親として大きな収穫でした。
学校に許可が必要なケースとルール
通信制高校の多くはアルバイトを認めていますが、学業の優先と未成年者保護のため、事前に学校へ申請し、許可を得る必要がある場合が多いです。
学校側は、生徒が学業(レポート提出・スクーリング)を疎かにしないか、また未成年者にとって不適切な環境で働いていないかを指導・管理する責任があるためです。
アルバイトはあくまで学業の補助的な活動であり、無許可で始めてしまうと、指導の対象となったり、万が一トラブルが起きた際に学校のサポートを受けられなくなったりする可能性があります。



息子が通った第一学院高等学校も申請が必要でしたが、アルバイトはどんどんチャレンジしようという雰囲気でした。
高校生にふさわしいバイト先であること、学業が疎かにならないことは、親もしっかり把握しておきましょう。
▶参考:【親の口コミ】第一学院高等学校の評判は?不登校の息子が通ってわかったメリット・デメリット
親御さんが学校と連携することで、子どもを働く上でのリスクから守る安全策となります。
重要なポイント
- 校則の確認: まず、入学した学校の校則(アルバイトの可否、届出の必要書類)を親子で必ず確認しましょう。
 - 事前申請の徹底: アルバイト先が決まったら必ず必要書類を提出して、学校の許可を得てから働き始めましょう。
 - 指導の対象: レポート提出が遅れたり、スクーリングに欠席が続いたりすると、学校からアルバイトの中止を求められる可能性があるため、学業優先は徹底しましょう。
 - 禁止職種の注意: 法律や校則で禁止されている未成年者に危険な作業や、風俗営業など不適切な職種は選ばせないようにしましょう。
 
学業とアルバイトを両立させるための具体的なコツ


レポート提出・スクーリングを最優先にする計画術
通信制高校とはいっても高校生である以上、優先するのは学業です。
アルバイトを続けていくためには、レポートの提出期限やスクーリングの日程をチェックして、そこから逆算して勉強時間を確保することが大切です。
通信制高校の単位は、全日制高校以上に「自己管理ができるか」にかかっています。
レポート提出、スクーリングへの出席、単位認定試験の合格が一つでも欠けると単位を落とし、卒業が遠のいてしまうため、自由さに甘えず優先順位を明確にすることが成功の鍵となります。



慣れないうちは、バイトと勉強のバランスを取るのが大変です。
息子も、バイト先で言われるがままにシフトを入れてしまって、学校へ登校する日もバイトだったという失敗もありました。
バイトをスタートするときは、計画の「型」作りを親も一緒になって作っていきましょう。
息子の場合、一度「型」ができたら、その後は自分でうまく計画していくようになりましたよ。
おすすめのアルバイトの種類と選び方
アルバイトを選ぶときは、以下のような融通が利くと、無理なく続けやすいです。
- 学業や体調の変化に柔軟に対応できる
 - シフトの融通が利きやすい
 - 短時間でも働ける
 
いきなり長時間勤務や、一度決めたシフトの変更が難しいような職場を選んでしまうと、体調を崩したときやレポートが間に合わないといったリスクがあるからです。
高校生にオススメなアルバイト先は、スタッフが多く、シフト交代の融通が利き、同世代のバイトが多い職場が働きやすいです。
特に、ファストフード、ファミレスなどの飲食店は、高校生や大学生もたくさん働いているので、比較的シフトに融通が利きやすいようです。



息子もファストフード店でバイトしていましたが、シフトが比較的自由でした。
働けるときはガッツリ入れて、学校が忙しいときは減らして、というように、自分なりに計画を立てていました。
親ができる生活リズムのサポート
親御さんは、「学習のコーチ」ではなく、「生活のサポーター」として、食事や睡眠といった子どもの生活の土台を安定させることに徹しましょう。
アルバイトを始めると、生活リズムが不規則になりがちです。
また、不登校からの再スタート期は、肉体的・精神的な疲労が溜まりやすい状態です。
親が子どもの体調管理という最も大切な土台を支えることが、学業とバイト両方への意欲につながり、挫折を防ぐ最大の防御線となります。
親ができるサポート
- 体調の細やかな観察: 子どもの表情や食欲、睡眠時間を気にするようにしましょう。疲労が見えるときは「今週は少し減らしてみたらどうかな」と、シフトを減らす提案を親からしてあげましょう。
 - 規則正しい食事: バイトのシフトに合わせて食事の時間が不規則にならないよう、栄養のある食事を用意するなど、親が積極的にサポートしましょう。
 - 情報共有の徹底: 子どものバイトのシフト表とレポートの提出期限を親も把握して、無理なスケジュールになっていないかチェックしておきましょう。バイトの「やりすぎを防ぐ」役割を担います。
 - 金銭教育: 稼いだお金をどう管理し、どう使うかを一緒に考える時間を持つことで、アルバイトを自立へのステップとしてポジティブに捉えられます。
 
未成年者の労働に関するルールと注意点|高校生のアルバイト


労働基準法が定める「働く時間」のルール
未成年者(18歳未満)の労働時間は労働基準法によって厳しく制限されていて、この法律が子どもの健康と学業を守る安全策となります。
未成年者は心身の発育途上にあるため、大人と同じように働かせてはならないと法律で定められています。
親御さんが法律上のルールを知ることで、万が一、アルバイト先が無理な労働を強いるようなことがあっても、子どもを守り、学業を優先させることができます。
学校に提出する同意書には、親権者として子どもの働く環境を確認し、守る責任が伴います。親として、ルールをしっかり把握しておきましょう。
未成年者の労働に関する重要なルール
- 親権者の同意: 18歳未満の生徒を雇用する際には、企業は親権者(親御さん)の同意書を得る必要があります。
 - 労働時間の上限: 原則として1日8時間、週40時間を超えて働かせることは法律で禁止されています。
 - 深夜労働の禁止: 原則として午後10時から午前5時までの深夜労働は禁止されています(一部例外あり)。これは子どもの生活リズムと睡眠を守るための重要なルールです。
 - 休憩時間: 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必須です。
 
アルバイトで子どもが体調を崩さないための注意点
アルバイトを始める最初の期間は、環境に慣れることを最優先にし、子どもに過度なプレッシャーや責任感を与えないよう、細心の注意を払いましょう。
不登校を経験した子どもは、新しい環境に対するストレス耐性が一時的に下がっている場合があります。
アルバイトで新しい人間関係や責任感に直面することで、精神的な疲労が溜まり、再び学習や生活に支障をきたす可能性があるため、親の細やかな見守りが必要です。
大切なのは、「続けること」よりも「無理をしないこと」です!
体調を崩さないための具体的な注意点
- 初期の負荷軽減: バイトを始めて最初の3ヶ月程度は、週のシフトを可能な限り抑え、慣れることを最優先にしましょう。
 - 目標の再確認: 疲労が見えるときは、「稼ぐこと」よりも「社会経験を積むこと」が本来の目的だったと、親子で立ち止まって確認する。
 - 人間関係の相談: 職場でのトラブルやストレスがあった際は、親が否定せず、気持ちを全て聞く役割に徹し、必要であれば学校やバイト先に相談します。
 - 辞める選択肢の共有: 「学業や健康に支障が出たら、いつでもバイトは辞めていい」という選択肢を親子で共有しておくことで、子どもは精神的な逃げ場を確保でき、プレッシャーが軽減されます。
 
まとめ:通信制高校でアルバイトはできるけど焦らず卒業まで伴走を


通信制高校でのアルバイトは、お子さんにとって自立への大切な一歩であり、社会復帰のための大きなチャンスです。
ただ、不登校や体調不良を経験してきた子どものことを思うと、不安を感じてしまうのは親として当たり前のことです。その不安を乗り越えるには、「学業が最優先」であること、そして「心の休息と安心できる生活の土台作り」が何よりも大切です。
どうしても親が口出ししたくなりますが、ここは焦らず我慢です。お子さんのペースを大切にして、アルバイトで得られる貴重な経験を、子どもの「自信」や「自己肯定感」に繋げていきましょう!
お子さんの自立を確かなものにするための次の一歩
お子さんのアルバイト許可やコース選びの最終判断には、卒業の要件(レポート、スクーリング頻度)を正確に把握していることが不可欠です。
でも、学校ごとの「アルバイトへの理解度」や「コース詳細」を一つずつ調べるのは時間と手間がかかります。
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